美しい南仏に想いをはせて
ちょうど今から3年前の夏に南仏に二ヶ月程滞在していました。そこは本当に美しい所で地中海に面した港町でとても小さな町でした。
語学学校に通う傍ら休みの日には必ずと言ってもいいほど近隣の町や村を巡って歩いていました。
そこで出会ったものは今でも私の宝物です。そしてそれは数多くの芸術家の足跡を辿る事でもありました。南仏という所は本当にたくさんの芸術家が愛した小さな村や町がありました。
何故 こんな田舎に?という疑問も町や村に着くと自ずと答えがでてくるような素敵な所ばかりでした。
マティスが愛したのはヴァンスとサン・ポール ルノワールはカーニュ・シュル・メール
ジャン・コクトーが住んでいたのは レモンで有名なマントン ピカソが愛したのは アンティーブにムージャン 建築家のル・コルビュジェも
みんな美しい南仏を愛したのです。
南仏は地中海に面していて太陽の光が特別に美しい所です。単純に光の量が湿度の少ない空気の層を透して降り注ぐ為に
水蒸気に屈折せずに地上に届くのではないかと思います。(私の個人的な思い込みなので、もし間違っていたらごめんなさい。)
だからニースの海岸はあんなにも美しいエメラルドグリーンなのでは?と私には思えるのです。
そんな太陽の光の下では 地球上のすべての物がその輪郭もくっきりとし 色もはっきりと見えるのです。色が命の画家にとっては
南仏の溢れる陽光のもとで より制作意欲が湧きでたのは想像に難くないでしょう。 それほどに眩い陽の光のある人々を惹きつける美しい村や町でした。
それだからなお 今年の北海道の冬は私にとって とても辛いのです。(歳のせい?)
生き物は皆 太陽の光がないと元気が無くなってしまいます。それは自然の摂理なのでしょうか?
パリは緯度が高いため冬は日が短く朝の8時過ぎにようやく明るくなり、夜はもう4時には暗くなります。
そして曇りの日がほとんどですから 冬は気が滅入る、とパリに住んでいる友人はよく言っていました 本当にその通りですね。
この凍てつく氷雪の下に春の息吹を待ちわびている若芽のように、私もあと少し耐えます。
それでも私は湿度のある日本の陽炎のようなぼんやりした輪郭のはっきりしない景色にとても風情を感じます。
そして、そのことが日本画や水墨画の趣きと重なっているのが日本人として理解でき 侘び寂びとか幽玄を味わえる喜びを感じます。











